- HOME »
- 研削・研磨一覧
研削・研磨一覧
ロール表面の磨き加工の仕上げ種類
マット系などの特殊な仕様を除く弊社のCrめっきロールの表面加工は、表面の粗いものから細かいものの順にグラインダー研磨仕上げ、バフ研磨仕上げ、鏡面に分類されていて、それぞれ加工に使う研磨材料や加工に使う装置を使い分けています。使う研磨材料や加工条件次第で調整出来ますが、Rmaxや旧JIS規格のRyに相当する粗さで表現するとグラインダー研磨仕上げは~6.3S バフ研磨は~0.4S程度となります。鏡面仕上げは0.4S以下の領域となりますが文字通り鏡の様な反射を得る為には、グラインダー研磨やバフ研磨装置とは違う特殊な方式で磨く必要があります。鏡面加工の中でも社内では~0.2Sを準鏡面、~0.1Sを鏡面、0.1S以下を超鏡面に分類しています。現在社内では更なる鏡面性をもった超超鏡面にチャレンジしていて、その粗さはμmの1/1000、nm(ナノメーター)の領域に突入しています。
高精度加工の環境、対応可能なサイズ・重量
野村鍍金では、高精度加工を実現するために、専門の工場を保有しています。加工部の内部温度は23℃±0.2℃で常に温度管理がされた恒温室を完備しています。また、地盤の基礎工事に加え、外的振動が伝わらない防振構造であり、構内クレーンの振動にも対処しています。この工場では、加工サイズφ700×4000、重量3tのロールを超精密円筒研削盤にて真円度1.0μm以下、振れ度1.0μm以下、円筒度1.0μmの加工精度の実現が可能です。
超精密円筒研削盤
特徴①
野村鍍金の超精密円筒研削盤は、新工場である三田工場に設置しております。超精密円筒研削盤では加工精度を1/1,000mm以下というサブミクロン台での超精密加工を実現することができます。また、この超精密円筒研削盤での施工可能サイズはφ700×4,000l(センター押しで4,500lまで可能)までのサイズのロールの研削加工が可能です。また、ロール重量は3tまでの研削加工が可能であるので、大型のロールの精密加工を行うことができます。
特徴②
野村鍍金の超精密円筒研削盤は、独立基礎による免震構造となっております。免震構造であるため、研削加工中の揺れによる加工精度のばらつきも最小限に抑えることができます。また、この超精密円筒研削盤は研削、測定に必要な温度環境である恒温室を完備しており、温度変化による金属の膨張がない状態にて加工を行っています。
なお、ロール単体ではなく、軸受けの組み込みも行い、非接触測定にてシャフト、ロールの振れの測定を行うことで振れのない高精度なロールを作ることができます。
高精度ロール
製品属性(仕様)
製品画像(様子)
特徴
近年、光学フィルム及び電池部材やその他のフィルム部材等におきまして薄膜化の傾向にあります。光学フィルムや電池部材の原反に対して、薄膜のコーティングを施す工程がありますが、その際にコーティングのムラを生じさせない為、高精度のロールが必要となります。要求される精度としましては、真円度/円筒度/振れ共に2μmという厳しい精度となります。その厳しい精度を満たす為、当社の三田工場に保有しております超精密円筒研削盤を使用して対応しております。まず、工場コンセプトとしましては、工場内とサーマルチャンバー内で2重の空調空間を作り、サーマルチャンバーの中を高精度に温度管理しております(23℃±0.2℃)。また、インバーター式のクレーン・ホイストを設置、機械基礎に防振溝を設け、その外側からサーマルチャンバーの壁を立ち上げ、加工・検査時に周囲の振動が伝わらない構造としております。次に超精密円筒研削盤の能力としましては、施工可能なロールサイズは、Φ750×芯間4500L(重量3ton)となっております。また、研削液に液温調整機を付けて管理、研削盤には、ロール自動計測装置を装備し、測定センサーは静電容量型のものを採用しております。非接触測定が可能ですので、鏡面ロールの傷入り防止となります。ロール単体で高精度が実現しても、軸受け組立後に振れ精度が狂うことがありますので、それを解消する為に軸受け組込み状態での研磨も可能となっております。蓄積されたノウハウの応用(砥石・研削水の選定、加工条件・加工方法の設定、加工変質層や加工応力について等)、機械加工の知識も有しておりますので、真円度/円筒度/振れの各精度につきましては、これまでの実績として、サブミクロンの精度を達成しております。当社三田工場の見学も可能ですので、お問い合わせ等お待ちしております。
高精度ロール(高真円度、振れ精度2μm以下)
製品属性(仕様)
特徴
野村鍍金は、高機能フィルム、プラスチック、樹脂シート、製紙、二次電池の他、さまざまな製品を製造する工程機械・設備向けに高精度・高品質のロール製品の製作、表面処理再生を通じて、国内はもとより海外も含めた多くのお客様へのお役立ちに取り組んで参りました。
この度、高精度ロールで精度2μm以内の円筒度、真円度、振れ仕様への対応が可能となりました。最大Φ750x面長5000L、重量10t超のロールサイズに対応致します。高精度ロールの施工実績は600本以上です。テーパーやクラウン加工もご要望スペックをお伺いし対応させていただきます。自動測定装置や特殊治具により高品質を確保し、様々なロール・軸サイズに対応致します。また設計から製作・表面処理までの一気通貫対応により、高い品質を保証する体制がございます。独自の生産管理システムで工程のロスを削減致します。対応皮膜は、クロムめっき、電気ニッケルリンめっき他、多数実績がございます。
関東、近畿、中国地方にある3拠点の国内営業及び自社工場から、日本全国をカバーする体制で貴社のご要望にお答えします。各拠点ごとで対応できるグラインダー研磨機(高精度)のサイズは以下のとおりです。
【大阪本社(神戸三田工場)】
・Φ750×全長4500 重量 3t
【福山工場(広島県)】
・Φ750x全長3,000 重量 5t
【鹿沼工場(栃木県)】
・Φ750×全長5000 重量 10t超
特徴ある3拠点のそれぞれ強みを活かし、またお客様のご要望に合わせて連携・補完しながら、更なる高精度のご要求や上記スペック以外のロールサイズ、重量に対応して参ります。ぜひ一度ご相談ください。
圧縮・圧延用プレスロール
製品属性(仕様)
製品画像(様子)
特徴
プレスロールは、対象の製品を「均等に」「薄く」圧縮・圧延するためのロールです。対象の製品とは、製鉄業なら「鉄(鉄板)」、製紙業なら「紙」、繊維業なら「不織布(マスク、セパレーター)」などがあげられます。
プレスロールは1本で使用するわけではなく、同径・同長の2本のプレスロールにて製品を挟み込みこむことで圧縮・圧延をします。その為、挟み込むロールの精度(隙間)にばらつきがあると、そのばらつきが製品にそのまま転写してしまいます。そうなると、製品の品質低下や歩留まりの低下を招くことになります。
ばらつきを低減させる方法として、ロール単体での精度(円筒度・真円度・振れ)を向上させる方法があります。野村鍍金では、高精度研磨機を用いることでロールの精度を「1μm以下」に加工することができます(プレスロールのサイズや材質によっては対応が難しい場合もあります)。またプレスロール単体での精度を高くするだけでなく、2本の外径差(ペア差)をより小さくすることも大切です。こちらもロールのサイズによって異なりますが、野村鍍金ではペア差「0.05mm以下」での加工実績があります。
こうして高い精度でプレスロールを仕上げることで、より均一で品質の高い製品を生産することが可能となります。
当然機械的精度だけではなく、製品が触れるプレスロール表面の品質も重要なファクターとなります。製品を「圧縮」しなくてはならないため、プレスロールの表面には強い力がかかります。圧縮する品物によっても変わりますが、プレスロールは摩耗が発生しやすい使用環境にあります。野村鍍金では、耐摩耗性が良い硬質クロムめっき(Hv=800相当)をはじめとし、硬質クロムめっきよりも硬い「R62(Hv=950相当)」や「WC溶射(Hv=1,100相当)」も施工することが可能です。
クロム鏡面ロール・ドラム(バーチカル仕上げ)
製品属性(仕様)
製品画像(様子)
特徴
クロム鏡面ロールと一言で言いましても鏡面仕上げ粗度において細分化されます。弊社では一般的に、Ry0.4µ以下の仕上げを鏡面ロールとしております。
まずRy0.4µ仕様の仕上げ品は一般的に仕上げ方法が2種類ありバフ仕上げ品とバーチカル研磨仕上げ品となります。主にフィルム製造等の搬送ラインに採用されており一般的な鏡面仕上げです。鏡面性を向上させることで搬送する製品へのダメージやスリップなどを抑えることが主な目的です。
次にRy0.2µ以下仕様の仕上げ品ですが仕上げ方法はバーチカル研磨仕上げとなります。この粗度表面は平滑な面によりフィルム成型初期の製品品質安定を目的とするためで、キャストロール表面として採用されています。
特にRy0.1µ仕様は僅かな欠陥も許容できない高品質なフィルム製造などに採用されています。
更に当社では鏡面加工を追求することで新たな鏡面仕上げ工法を確立し、Ry0.01の超鏡面仕上げも可能となっています。
これら鏡面性を向上させることが製品へのダメージや欠陥の転写などを抑える一つの要因となります。仕上げ時に鏡面性を向上させることで表面欠陥がより強調され発見される為、目視では見えづらい欠陥が顕著に現れます。これらの欠陥を修正しながら完成とさせますが、当社ではめっき槽を使わないクロムめっき施工方法により局部的な修正方法が可能です。この工法により僅かな欠陥であっても短期で修正することが出来ますので、安定した高品質の製品を提供させていただきます。
リチウムイオン電池用高精度クラウンプレスロール
製品属性(仕様)
製品画像(様子)
特徴
リチウムイオン電池用の電極を製造する工程で使用されているプレスロールには非常に高度な機械精度が要求されています。その理由は、プレスロールの役割に大きく関わっています。
まず、リチウムイオン電池用の電極を製造する工程は大きく分けて3つの工程に分けられます。一つ目はコーター(塗工)パートです。まず、ここで金属箔に一定の厚みで正極、負極それぞれの電極材を塗布します。
その次に、塗布した電極材を一定の厚みに薄くし、かつ、高密度にするためのプレスパートがあります。ここでプレスロールが使用されます。プレスロールは基本的に2本一組になっており、その間に電極材を通します。電極材を通す際に両方のプレスロールに圧力を掛けて、電極材を圧縮、圧延します。圧縮、圧延後の電極材の厚みはプレスロールの真円度、円筒度、振れなどの機械精度により決まります。もし、プレスロールの機械精度が悪いと、そのまま、電極材の厚みのバラつきになります。電極材にバラつきが発生すると、電池としての性能のバラつきや、電池の厚みがいびつになりケースに入らないなどの品質トラブルの元となります。リチウムイオン電池は電極材を何層も積み重ねて電池となっており、電極1枚がわずか数μmのバラつきでも、積層すると大きな厚みのバラつきになってしまいます。そのために、プレスロールには数μm以下という非常に高度な機械精度が要求されているのです。
最後に所定の厚みになった電極材を電池の大きさやユニットの大きさに切るスリッターパートがあります。
これで電極の完成です。
クラウンプレスロールとは、ロールがストレートではなく太鼓型(真中が太い形状)や逆太鼓型になっているロールのことです。上記でプレスロールは、その役割上、非常に高度な機械精度が要求されます。と、記載させて頂きました。なのに、なぜ、あえてストレートではなく、いびつな形にするのか、その理由をご説明させて頂きます。
実は、2本のプレスロールを限りなく高精度にストレートに加工して、そのロールで電極材を圧縮、圧延した時、一定の条件では非常に均一な膜厚の電極材が出来ます。しかしながら、いくつかの条件下ではストレートのロールを使っても均一な厚みの製品が出来ない状況が発生します。リチウムイオン電池製造用のプレスロールで多くあるのは、ロールを押す圧力が非常に大きくなった場合に、ロール中央部よりも両端側が強く当たる傾向があります。その結果、圧延、圧縮された電極材は中央が厚く、両端が薄い電極材が出来てしまいます。こういったケースの時にクラウンロールが活躍します。製品の中央、両端の厚み差を打ち消すように、ロール自身を中央は太く、両端を細くします。クラウンロールの形状はお客様の使用条件により様々で、製品の厚み差から逆算するなどして決定します。その形状に従って、ロールの加工を行うのですが、求められる製品の厚みのバラつきは数μm以下なので、ここでも欲しいクラウン形状から数μmの誤差もないロールが求められます。弊社では、一定の温度に管理された恒温室内で、高精度に加工出来るグラインダー研磨機を使用することにより、理想的なクラウン形状に対して±1μm以内の誤差での加工が可能です。
また、ロール中央部が細く、両端が太い逆クラウンロールも同様に±1μm以内の機械精度で加工出来ます。
弊社では研磨加工だけでなく、クロムめっきなどの表面処理から一貫して対応が可能であり、高精度化、品質安定化のお手伝いをさせて頂きます。
研削水の清浄化によるスクラッチ傷の低減化策
Before (改善前)
After (改善後)
熱間研磨
熱間研磨とは、ドラム・ロールの温度を上げた状態で行う研磨方法です。通常ドラム・ロールを研磨加工する際には常温にて研加工磨を行うため、精度も常温下での精度となります。しかし、実際にロールを使用する場合には加熱して使用することがあり、金属製のドラム・ロールは加熱すると、熱膨張による変形を起こし精度が悪くなります。そのため、高精度が求められる場合には、あらかじめご使用時の温度で研磨加工を行うことで、使用温度での精度保証が可能となります。
熱間研磨加工 サービス
熱間研磨加工 サービス | 特徴①
ロールを使用する製造現場の温度環境と同じ条件での製作を行う、熱間研磨加工サービスです。鉄鋼業界や製紙業界のような、溶解した金属による輻射熱や高温の蒸気等にさらされる製造現場では、一般的にロールを製造する加工現場との環境条件が大きく異なります。そのため、加工現場で仕上げ(検査・測定)で精度が出ていたとしても、金属の温度膨張の発生により、現場に持ち込んだ際に精度が微妙に変わります。この野村鍍金の熱間研磨サービスは、ロールを製造する条件を可能な限り、使用現場と同じ条件にすることで、現場で使用するロールに高い精度を与えることができます。加工サイズは、φ1,400の大型まで対応が可能で、全長もL8,000mmまでの大型サイズにも対応が可能です。また、これらの大型サイズに伴う重量にも対応できるように、設備を設置している基礎も考慮しているため、35,000Kgの重量まで対応できます。
熱間研磨加工 サービス | 特徴②
熱間研磨の温度条件ですが、熱油を使用した場合は250℃まで、熱水であっても200℃までの条件出しができるため、お客様の製造現場の温度条件に幅広く対応できます。
一般的に鉄材の場合、温度が1℃変われば1mあたり寸法が0.0117mmの変化があります。これは、鉄の熱膨張係数が11.7になっており、下記公式に当て込むコトでその変化を予測することができます。
公式△L = L × 熱膨張係数 × △T ( △L:長さ △T:温度変化)
産業用のロールは、φが1,000mmを超えるモノや、全長が5,000を超えることが珍しくなく、使用現場での精度確保を踏まえると如何に熱間研磨が必要かということがわかります。
研磨方法の変更による品質の一定化
Before (改善前)
After (改善後)
POINT(要約)
ゴムや電池、フィルム製造ではロールを高温で使用することがあります。ロールが高温になり、熱膨張による変形を起こし振れ精度やロールのプロファイルが低下してしまいます。そのため、作られる製品の品質も安定しません。使用時の温度で研磨する熱間研磨という方法でロールを仕上ることにより、高温で使用されるロールでもロールの精度を保ち、作られる製品の品質を安定させることができます。
熱間研磨を用いた高精度カレンダーロール
製品属性(仕様)
製品画像(様子)
特徴
大型機械加工+表面処理.comを運営している野村鍍金では、水や油を用いてロール本体を加熱しながら研磨する熱間研磨機を保有しております。この研磨機は加圧熱水200℃、熱油250℃の範囲で任意の温度に合わせて研磨することが出来るので、確実に製品精度が向上します。写真のロールは加圧熱水198℃の状態で振れ、プロファイルが5μm以下というスペックの案件です。プロファイルを精度よく出すことが出来るので、製品厚みが均一に保て、品質向上にも繋がります。クラウン研磨や逆クラウン研磨、硬質クロムめっき面にも対応しています。
非真円研磨
熱間研磨にて精度出し研磨を行うと、逆に常温まで温度を下げた際に、ドラム・ロールの精度が崩れてしまうことがあります。そのまま常温で仕上げ研磨を行うと、熱間研磨にて仕上げたドラム・ロール精度が悪くなってしまいます。そこで、仕上研磨の前に温度を下げた状態でのドラム・ロールをスキャンし、その崩れた形状に倣って研磨加工をすることで、熱間研磨の精度をキーブすることができます。この一連の研磨方法を非真円研磨と呼びます。
ベアリング組み込み後の高精度研磨
Before (改善前)
After (改善後)
バレル研磨
バレル(金属製のカゴ)の中へ、比較的小型の品物と小型の砥石(メディアと呼ばれる)を多数入れて撹拌させ、品物表面を研磨する方法で、安価に多数の処理ができます。ただし、研磨量や研磨後の仕上げ精度はかなりまちまちとなるため、機械加工の研磨目やバリを取りといった精度の粗い研磨に用いられます。また、砥石研磨や機械加工のできない内面研磨の際にも用いられます。