当社では、電鋳用、一般耐食用として、スルファミン酸ニッケル浴、一般耐食用としてワット浴それに、特殊用途として、NK浴を利用している。いずれも、機能面から考えて、装飾めっきに利用される添加剤(光沢剤、レベリング剤、半光沢剤)は、合有させないことを基本としている。

したがって、ニッケルとしての基本的な特性は、非常に似ているところはあるものの、冶金的製法によるニッケルとは、異なる面の方が多い。 写真-11に、上述の3種類のめっき液から当社での仕様に基づいて、めっきしたニッケルめっきの顕微鏡的組織を示す。

当社使用のニッケルめっき浴から得たニッケルの代表的金属組織

また、当社の代表的なニッケルめっきについて、硬さ、摩耗特性、引張強さ、伸びなどの代表的な、計測値を表-2に示した。 それぞれの計測項目について、計測値の幅が多い理由は、それぞれのめっき液について採り得る値を記入したためである。

当社の代表的な電気ニッケルめっきの性状