<クロムめっきの化学的性質・耐食性>
クロムめっきは、常温においては、化学的抵抗力のきわめて大きな金属であるが、その理由は、アルミニウムと同じく、容易に不働態となることにある。したがって通常の使用環境では、クロムめっき自体の耐食性は良好で、腐食することは、ほとんどないが、割れ日の存在が毛管現象を誘発し、下地から腐食を発生することがある。

クロムめっきの耐食性は、上述のごとく、不働態膜の存在によってもたらされているために、不働態膜を侵蝕する薬液に対して、クロムめっきは侵される。その代表的なものは、塩酸、硫酸、ハロゲン、ハロゲン化物などである。

 

<クロムめっきの耐衝撃性>
クロムめっきは、硬く、 写真-1のごとく無数の割れを内在しているために衝撃荷重を受けると、目視できる程度まで、割れが拡大し、時には欠落することさえある。

代表的なクロムめっきの断面組織水酸化ナトリウムによるエッチング

写真-5および6は、 クロムめっきの表面に、ブリネル硬度計を利用し、荷重を負荷した場合に認められた圧コン部の断面状態を示したものである。

加重を受けて割れの拡大したクロムめっき層-1

加重を受けて割れの拡大したクロムめっき層-2