産業用の大型機械部品の特性

素材から切削加工や旋盤加工などの機械加工によって削り出される機械部品は、その用途によって求める性質やかけることができるコストの基準が大きく変わります。その判断の基準として最もわかり易い例は、機械部品がイン・ライン(生産ラインに組み込まれている装置の主要部品、もしくは、生産ラインの主要部品)であるかどうかです。生産ラインは稼働すればするほど、時間当たりに生み出す付加価値額が増え、製品の原価の低減につながります。生産工場ではライン設計をする生産技術担当者やライン予防保全や事後の復旧を早期に行う保全担当者が生産ラインの安定した稼働のために日々、注意しています。このような技術担当者は、機械部品の機械的な役割を果たす形状設計だけでなく、より機能的な部品となるような表面処理加工を適切に選定することが求められています。特に、生産ラインの中で採用される機械部品は、大型になればなるほど、その重量やサイズが交換の工数の増大につながります。大型の工作機械である門型加工機や大型旋盤等で製作される機械部品は、そのわかり易い例と言えます。

大型機械部品を加工する大型工作機械
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大型ロールや長尺ロールの旋盤加工。イン・ラインで使用される代表的な大型の機械部品。


連続鋳造用モールドの機械加工。イン・ラインで使用される代表的な大型の機械部品。