銅めっきも手法的に、見れば電気銅めっきと無電解銅めっきとに大別されるが、後者は使用例が電気部品としてのプリント回路板への適用が主であり、無電解ニッケルめっきのように汎用性はなく、特殊な扱いを受けているのが実状である。したがって、銅めっきは、当社としては、電気銅めっきが主体である。

 

○当社で扱う電気銅めっきについて                                                              

当社で主として扱う銅めっき液は、硫酸銅浴、ピロリン酸銅浴、シアン化銅浴の3種類であるがシアン化銅浴は、公害的見地から現在では、ほとんど使用していない。

硫酸銅浴およびピロリン酸銅浴の使い分けは、被めっき体の形状、要求される特性(物性)、必要な光沢や平滑性の程度に応じて適宜、これら2浴から選定するが、電気ニッケルめっきと同様に、液組成、電流密度、添加剤の使用の有無によって、光沢、物性などを変化させることが可能である。

 

○硫酸銅浴、(2種類)と、光沢ピロリン酸銅浴との比較

 

1)硬さ

代表的な光沢硫酸銅めっきと無光沢硫酸銅めっき、それに光沢ピロリン酸銅めっきの硬さと加熱によるその変化状況は、図-4のとおりである。

電気銅めっきの硬さと比較

2)引っ張り強さと伸び

図-5のとおりである。

電気銅めっきの引張強さと伸びの比較

3)摩擦特性

図-6のとおりである。

電気銅めっきの摩擦特性

4)顕微鏡的組織

写真-15のとおりである。

電気銅めっきの顕微鏡組織

電気銅めっきの顕微鏡組織-2