- HOME »
- 鏡面一覧
鏡面一覧
鏡面仕上げ
鏡面仕上げとは、金属表面をバーチカル研磨、またはバフ研磨にて表面を鏡のようにピカピカに仕上げる研磨方法です。鏡面に仕上げるためには、面粗度はもちろんですが、うねりなどの面精度も併せて必要となります。弊社では粗さにより表面状態を区別しておりRy0.8~0.4μmを準鏡面、Ry0.2~0.1μmを鏡面、Ry0.1μm以下を超鏡面と呼んでいます。
鏡面研磨とバフ研磨とグラインダー研磨の違い
鏡面研磨(バーチカル研磨)とバフ研磨、グラインダー研磨の違いは色々ありますが、まずは研磨の目的で異なります。鏡面研磨とバフ研磨は表面の粗さを細かく、仕上げること=「研磨」を目的としており、グラインダー研磨はロールの機械精度:真円度・円筒度・振れを向上、仕上げることを目的に施工される研磨=「研削」であります。そのため、機械の構造にも違いがあります。グラインダー研磨は凸凹のあるロールをきれいな〇(円)のロールにするために、砥石の位置を基準にし、そこにロールを当てることで、強制的にロールの形を変えていきます。凸の部分から砥石に当たり、いずれ凸部がなくなりきれいな〇になります。一方で、鏡面研磨やバフ研磨は、ある程度機械精度は気にせずに表面の粗さを細かくすることを目的にした機械になっています。そのために、砥石(又はバフ)はロールの形状に倣って上下(又は前後)に動くことが出来ます。多少のうねりやクラウン形状などストレートでないロールに対しても、その形状を崩さずに表面の粗さを向上させることが出来ます。逆に機械精度を向上させることは出来ない研磨となります。
鏡面研磨とバフ研磨についても様々な違いがありますので、そちらについては別のQ&Aで説明させて頂きます。
鏡面研磨とバフ研磨とグラインダー研磨の違いー(2)
前回は、鏡面研磨(バーチカル研磨)とバフ研磨とグラインダー研磨の違いについて「研磨の目的」の違いに注目して説明させて頂きました。
→Q&A「鏡面研磨とバフ研磨とグラインダー研磨の違いを教えてください。」参照
今回は、磨きの目的である鏡面研磨(バーチカル研磨)とバフ研磨の違いについてご紹介させて頂きます。
弊社では通例として鏡面研磨と記載しておりますが、研磨の分類で申し上げますと、「バーチカル研磨」と「バフ研磨」が正しい表現となります。両者の違いは、回転方向の違いや研磨材の違いなど同じ研磨を目的とした機械ですが異なった機構を持っております。弊社での使い分けは仕上りの表面粗さの到達値に応じて使い分けることが大きな理由です。
バフ研磨ではRz0.4μm程度の仕上げ粗さまで対応可能ですが、それ以上の細かい仕上げ粗さ=鏡面仕上げにはバーチカル研磨で対応しております。
バーチカル研磨施工品は圧倒的に鏡面品が多いことから、一般的にバーチカル研磨=鏡面研磨と表現しております。鏡面研磨での仕上げ粗さはRz0.05μm以下の仕上げ粗さまで対応可能であります。
研磨材の違いや機械の違いなど、詳細の違いなど研磨についてご興味がございましたら、ぜひともお問い合わせく下さい。
鏡面仕上げについて教えてください。
製紙業界で使用されるキャストドラム、光学フィルム業界で使用されるキャスティングドラム及びその他全般のロールにつきまして、ほとんどの場合、最外層はCrめっき+鏡面研磨で表面を仕上げます。
なお、使用される鏡面研磨用の砥石は粗い番手から始まり、仕上げ番手まで長期間を要して、お客様の要求スペックに仕上げてまいります。
(大型ドラムでは、最終工程である鏡面研磨に1.5~2.0ヶ月程度の時間をかけて仕上げます)
鏡面仕上げについて、用語辞典では、「均一で無指向な鏡面反射の平滑面に仕上げること。」となっておりますが、バフ研磨では到達できない平滑面とする作業工程を指しております。当社が扱うロール及びドラムは、しばしばクロムめっき被覆後に鏡面仕上げをする場合があり、バフ研磨と異なって、樹脂を結合材とした砥石と鏡面研磨機を利用して、番手を順次取り替えて仕上げており、仕上がりの程度により、例えば表面粗さ0.4s以下を準鏡面レベルとし、0.1s以下を鏡面として区別しております。なお、昨今益々高い平坦性(鏡面性)を有する研磨仕上げ面が求められておりまして、そのレベルは0.05s以下であります。
但し、鏡面性の判定は粗さだけに限定されておらず、目視外観などその他の判定要素が加わってくることも認識しておく必要があり、特にピット/ピンホールや砥石目の有無を確認する検査は拡大鏡やマイクロスコープを使用し、時間をかけてチェックしております(ちなみに外径3m×面長5m級の大型ドラムに関しては、お客様との最終立会検査で1週間ほどかけて表面をチェックする場合もございます)。
また、鏡面仕上げのロール及びドラムに対する現地局部めっき補修+仕上げ鏡面研磨も可能でございます。
鏡面仕上げのロール及びドラムは当社にお任せください。
鏡面に仕上げられる表面処理には何がありますか。
代表的な表面処理として硬質クロムめっきがあります。鏡面(Ry=0.1~0.4S)に磨き仕上げる為には、被膜自体がある程度硬い必要があります。クロムめっき(Hv=800相当)を鏡面に磨く条件でニッケルめっき(Hv=200相当)を磨いても、鏡面に仕上げることはできません。その他の表面処理では、WC溶射があげられます。WC溶射(HV=1,100相当)は硬すぎるため、通常の砥石では削ること自体が難しい被膜です。野村鍍金では独自の研磨方法を採用することでWC溶射も鏡面仕上げに加工することができます。
職人の手仕上げによる鏡面研磨加工
製品属性(仕様)
製品画像(様子)
特徴
鏡面の定義は諸説ありますが、粗さの指標としてRy(旧JIS:最大山高さ)で0.4S以下は表面に曇りなくまさに鏡のような光沢を有します。鏡面加工が必要とされる目的も様々で、装飾性(外観)や機能性(溶融樹脂に転写させないため)などがあります。
日常生活の中でアクシデントはつきものです。せっかくの鏡面加工部分に傷をつけてしまうこともあります。傷の種類は、擦り傷、打痕、腐食(錆)など様々です。
今回ご紹介するのは、そういった傷が発生したものの表面を、職人の手仕上げで元の鏡面の状態に復元する技術です。
とは言って、何でもかんでも元の状態に直せるわけではありませんし、「全く元通り」というわけにもいきません。最低限の条件として、①硬い表面で、➁砥石で磨いた際に鏡面性がえられる、そういった材質である必要があります。
よって1番身近な材料としてクロムめっきがあります。もともとの表面がクロムめっきである場合、薄い擦り傷であればその場で手仕上げで磨き上げることも可能です。もし深めの傷(打痕)などであれば、製品に電気を流すことで局所的にクロムめっきを施工することも可能です(上記写真)。局所的なめっき後にも、職人の手仕上げで鏡面仕上げに仕上げることが可能です(Ry=0.4S以下)。
鏡面仕上げ加工について
製品属性(仕様)
製品画像(様子)
特徴
当社では主にロールを扱っており、設計~製図~鉄心製作~表面処理まで一貫対応が可能ですが、今回は表面処理工程でも最終仕上げの鏡面仕上げ加工について紹介いたします。
当社での鏡面仕上げは、表面粗さで言うと0.2s以下の仕様を指します。
鏡面仕上げの対象皮膜は、CrめっきやWC溶射や快削くん(=Ni合金めっき)となります。
Crめっきでの鏡面仕上げでは、バーチカル研磨機で加工をしますが、砥石の番手が非常に多く、8種類前後の砥石を使用します。前番手の砥石目を消し、鏡面に仕上げていきますが、パス回数や研磨圧、砥石のドレッシングなど多岐にわたる管理項目を設定しており、各々のサイズや仕上げ粗度に準じて完成させていきます。また、0.1s仕上げともなるとラバー系の砥石を使用するなど、ドラムに写るものがまさに鏡のように非常に鮮明な表面となります。
また、Crめっきの欠陥(ピット、ピンホール)の許容サイズを厳しく設定し、ユーザー様の品質向上に貢献できるよう努めております。
WC溶射での鏡面仕上げでは、バーチカル研磨機とスーパーフィニッシャー研磨機で仕上げます。WC溶射はCrめっきよりも硬度が高い為、耐摩耗性を重視されるユーザー様に対して納品しております。
当社では大径、長尺サイズのロールも多く扱っておりますので、鏡面仕上げ工程だけでも数ヶ月かける場合もあります。
これからも品質重視で対応していきますので、鏡面仕様でお困りのユーザー様は是非当社にお声がけください。
クロム鏡面ロール・ドラム
製品属性(仕様)
製品画像(様子)
特徴
クロム鏡面ロールと一言で言いましても鏡面仕上げ粗度において細分化されます。弊社では一般的に、Ry0.4µ以下の仕上げを鏡面ロールとしております。
まずRy0.4µ仕様の仕上げ品は一般的に仕上げ方法が2種類ありバフ仕上げ品とバーチカル研磨仕上げ品となります。主にフィルム製造等の搬送ラインに採用されており一般的な鏡面仕上げです。鏡面性を向上させることで搬送する製品へのダメージやスリップなどを抑えることが主な目的です。
次にRy0.2µ以下仕様の仕上げ品ですが仕上げ方法はバーチカル研磨仕上げとなります。この粗度表面は平滑な面によりフィルム成型初期の製品品質安定を目的とするためで、キャストロール表面として採用されています。
特にRy0.1µ仕様は僅かな欠陥も許容できない高品質なフィルム製造などに採用されています。
更に当社では鏡面加工を追求することで新たな鏡面仕上げ工法を確立し、Ry0.01の超鏡面仕上げも可能となっています。
これら鏡面性を向上させることが製品へのダメージや欠陥の転写などを抑える一つの要因となります。仕上げ時に鏡面性を向上させることで表面欠陥がより強調され発見される為、目視では見えづらい欠陥が顕著に現れます。これらの欠陥を修正しながら完成とさせますが、当社ではめっき槽を使わないクロムめっき施工方法により局部的な修正方法が可能です。この工法により僅かな欠陥であっても短期で修正することが出来ますので、安定した高品質の製品を提供させていただきます。
フィルム用ポリシングロール
製品属性(仕様)
製品画像(様子)
特徴
このポリシングロールは、フィルム製造のために使用されるロールです。ロールの表面を鏡面仕上げとすることで、鏡面性と潤滑性を向上させ、取り扱うフィルムの製品品質を向上させることが出来ます。また、表面にはクロムめっきを施工しており、耐摩耗性と耐食性も向上させることが出来るので、厳しい環境化でのロール使用に耐えることが可能となります。
フィルム用キャストドラム
製品属性(仕様)
製品画像(様子)
特徴
このキャストドラムは、フィルム製造のために使用されるキャストドラムです。バーティカル研磨はバフ研磨に対して表面をより細かい面に仕上げることが出来るので、さらに鏡面性を向上させることが出来ます。野村鍍金では、大型ロール、大型ドラムでも対応出来るバーティカル研磨設備を内製化しています。大型のドラム・ロールでも、よりきめ細やかな表面仕上げにも対応しています。
光学フィルム製造用ドラム
製品属性(仕様)
製品画像(様子)
特徴
このドラムは、テレビやスマートフォンなどの光学用途に使用されるフィルムを製造する際に使用されるドラムです。このドラムサイズは、φ2200mm×L1600mmの大型サイズでありながら、ドラム表面はフィルムのキズ付防止や透明性の向上を実現します。これらのキズ付き防止や透明性の向上のために、ドラム表面は表面粗度Ry0.1μmという非常に細かい面に仕上げられています。この表面粗度を実現するために、バーティカル研磨で表面を仕上げています。バーティカル研磨は、研磨砥石#約500~以上の非常に細かい仕上になります。(一般的な研磨であるバフ研磨は#約200~となっています)野村鍍金では、お客様それぞれの希望の表面粗度に応じて砥石の種類や組み合わせを変えて対応しております。
ミレストロール(超鏡面ロール)
ミレストロール(超鏡面ロール) | 特徴①
フィルムやシート、樹脂製品など更なる高品質化のニーズに対してロールの面粗度(鏡面)の向上が重要な要素となります。
当社ではそのニーズに応えるべく、新たな磨き工法と設備によりSa2nm以下の超鏡面を実現しました。
この新しい超鏡面加工法は、クロムめっきやR62めっき、快削くんめっき等の硬質めっきが対象となり
快削くんめっきではSa1nm以下も可能です。
ミレストロール(超鏡面ロール) | 特徴②
Sa2nm以下の超鏡面性により、これまでにない高品質の平滑性や透明度の向上が期待されます。
また、皮膜の種類によっては耐摩耗性・耐傷性は勿論のこと、耐食性やクラックレス表面などの特殊な機能を持たせることも可能です。