Before (改善前)

フィルムを生産したり加工したりする場合、フィルムはロールトゥロールで運搬されます。フィルムは、運搬中に蛇行したりシワが入ったりすることがある。そうすると、最悪の場合フィルムが使用できなくなるケースもあります(品質的の観点より)。そうならない為にも、フィルムは搬送ロールにしっかりとグリップしている必要があります。
グリップ力を上げる方法として、ロール表面にサンドブラストなどで梨地処理を実施するなどがあります。しかしサンドブラストでの梨地処理では梨地表面の突起が鋭く、条件によってフィルムに転写させてしまう可能性もあります。

V

After (改善後)

野村鍍金では、「特殊マット」と呼ばれる特別な梨地処理を保有しています。

特殊マットは、梨地の突起部分が丸型であるという特色があります。突起が丸型であることで、フィルムにかかる負荷は軽減します。また社内独自調査の結果、特殊マットロール(Rz5~7相当)、鏡面ロール(Ry0.2~0.4相当)、梨地ロール(Ry5~7相当)を比較すると、特殊マットロールが1番高いグリップ力を発揮しました(※各諸条件によりグリップ力は変化します)。

クロムめっきが施工されているロールをご支給いただければ、その上に直接特殊マットを施工することも可能です。

POINT(要約)

特殊マット被膜は、梨地面の突起が丸型であることで、フィルムへの負荷を低減させることができます。

またクロムめっき相当の硬さ(Hv=900~1,000相当)を有しており、耐摩耗性にも優れています。グリップ力の評価は、フィルムの種類や搬送条件によっても変わります。まずは特殊マット(Rz5~7相当)を評価いただき、その結果からベストな仕様を協議・選定させていただきます。