Before (改善前)
ロール製作において、ロールのセルと軸そしてその他の各種部材を接合する方法として「炭酸ガス溶接」により実施することが主流となっております。ただし炭酸ガス溶接はいくつかのデメリットがあります。
①スパッタ(飛散物)が発生することによる作業性の問題
炭酸ガス溶接の際、スパッタと呼ばれる飛散物(溶けた金属の粒)が発生します。大気中に発生したスパッタすぐには冷えて固まりますが、固まる前に製品に付着した場合、別途除去する必要があります。
②溶接材料費や実際の溶接作業(手作業)にかかるコスト面の問題
炭酸ガス溶接において、肉盛りするための溶接材(溶接棒)が別途必要となるため材料費が発生します。また手作業での施工になるため作業時間(人的コスト)も発生します。
③手作業に伴う加工技術面の問題
最適な溶接条件を設定し実施したとしても、やはり手作業で行うため高い技能が要求されます。また作業内容も技能者に頼る面が多くなり、技能者育成にも大きな課題があります。
V
After (改善後)
プラズマ溶接機による施工で、特に量産品のロールにおける溶接コストの削減を達成することができた。
1番のポイントは、溶接材料費が必要無い点にあります。焼き嵌め接合させた接合面(ロールセルと軸など)へプラズマアークを発生させ、接合面の母材を溶解させることで接合させることが可能となります。溶接材料の供給無しで接合ができるため、溶接部の余盛が少ないため炭酸ガス溶接の接合部に比較して後加工の加工代が低減できます。
その他、スパッタの発生が炭酸ガス溶接と比較して少いため、溶接施工後の手入れ工数も削減することができます。専用機械加の機上にて施工を行うため、施工者の技能に頼ることなく安定した条件にて施工が可能となり、品質向上にも寄与しています。
POINT(要約)
プラズマ溶接を採用することで、溶接材料無しでロール部材を接合することができるため、溶接コストならびに後工程のコストダウンを図ることが可能となります。
プラズマアークによる接合深さに制限があるため、大型ロールに見られる大きな開先深さを必要とする製品には適さないが、小型ロールの量産化には適した施工方法です。専用の加工機上で行うため、専門技能に頼ることなく施工が可能となったことで、多能工の幅が広がりました。


















