Before (改善前)

ロールはフィルム業界、印刷業界、鉄鋼業界、製紙業界など、様々な業界の搬送のための機構部品として使用されています。さきほど述べた業界のほとんどで、ロール表面に耐摩耗性、硬度強化、離型性、耐熱性などの機能を持たせる工業用のクロムめっきを行います。
そのため、ロール形状になった後にめっき加工をおこなうために、めっき槽までロールの搬送が必要になります。円柱形状のロールの搬送は安全面や効率性が十分とは言えず、製品本体をそのまま運ぶとなった際には、非常に多くの作業工数がかかってしまいます。
これらの理由から、ロールには固定用の治具の設置の検討が望ましくあります。

V

After (改善後)

搬送用のロールの表面処理加工の方法として、クロムめっきが多く採用されています。

クロムめっきをロールに施工するためには、組み上がったロールをめっき槽まで運ぶ必要があります。この搬送を効率的に進めるために、ロールの機能上影響が少ない側面にメネジ加工を行い、治具を取り付ける構造にしておきます。この治具により、ロールの搬送は安全且つ、落下や転がりを防止することができます。

ロールの搬送の時間的な軽減と作業者の安全、研磨等の仕上げを行った後の表面の損傷の防止など、搬送用の治具の設置による恩恵は、大変大きなVE設計となりました。

POINT(要約)

円柱形状のロールは、小型であっても搬送がし易いとは言えず、径:φ3,000など大型ロールになれば、その搬送はさらに困難なものとなります。特に効率性や安全面、表面のめっき加工や研磨後の品質管理の面からも、如何に安定した搬送を実現できるかも、ロール設計の非常に重要な要素になります。

設計者はロール本来の機械部品としての機能だけではなく、搬送を考慮した構造設計を行うことが求められています。