Before (改善前)
ロール製作に於ける機械的な構造は円柱構造と軸(シャフト)の組立てになります。完成したロールの円柱構造の側面中心部に、シャフトをはめ込む作業を行います。この際にロールの内部にシャフトの位置決めとなる止まり加工が無い場合、軸の位置精度を出すことが難しく組立工程の作業工数が増える原因となってしまいます。
ロールは単体で使用させる製品でなく、生産ラインの中で設備に組み込まれるため、軸となるシャフトのでっぱり長さ、ロールの回転精度等が重要になります。それだけに、正確な位置決めは必要不可欠になっています。
V
After (改善後)
円柱構造へ軸(シャフト)を通すことで完成するロールの製作方法を設計段階から考慮することで、ロール内部にシャフトの位置決めガイドがある構造設計を行います。
シャフトをはめ込む際に、このガイドが位置決めの役割を果たすこととなり、作業者は簡単に正確な軸位置を出すことができるようになりました。このロール内部の止まり構造を取り入れる事で組立工数の大幅な工数削減実現しました。
ちょっとした工夫ですが、ロールの製造現場を熟知している設計者ならではの構造設計のポイントになります。
POINT(要約)
ロール内部の止まり加工を取り入れる事は、機械加工の工数の増加につながります。しかし、後工程の組立における難易度の軽減になり、組立の作業工数の削減とロールの品質向上に効果があります。
ロールのサイズやスペック等を考慮し、トータルコストメリットがどちらにあるかを踏まえた上で、細部にわたるロールの構造設計を行うことが重要になります。