Before (改善前)
表面処理加工はロールに潤滑性や耐摩耗性などの機能を付加することを目的に行われますが、使用環境によっては耐食性効果が低い場合があります。
クロムめっき単層の場合、ハロゲン環境(塩素等)においては腐食が発生し母材のロールにまで達することがあります。
このような場合、ロール再生加工時に研磨加工や補修加工等の余分なコストがかかります。また、腐食がひどい場合には、ロール再生加工ができず廃却となることもあります。
V
After (改善後)
表面処理加工を必要とするロールを設計する場合には、使用環境や再生加工時のための仕様設計を予め反映させておくことで、再生加工工数等のコスト増加を防ぐことができたり、ロール寿命の増加につながります。
上記のようにクロムめっきと母材であるロールの間にニッケルめっきをすることで、腐食が発生してもニッケルめっきがバリアとなり、腐食が母材まで到達することを防ぎます。
設計者は設計段階から、使用環境に適した仕様設計の概念をもつことでランニングコストを削減することが可能になります。
POINT(要約)
ロールに表面処理加工をする場合、腐食・摩耗・キズ等で必ず再生加工が必要になります。使用環境に適した設計をしていないと、ロール再生加工時に腐食した母材を削り込んだり溶接補修したりと、無駄なコストがかかります。また、ひどい場合はロールが廃却になることもあります。
ロール長寿命化や再生加工時のコスト削減のため、予め使用環境に適した仕様設計を行うことで時間・費用のロスを防ぐ事が出来ます。