Before (改善前)
表面処理加工は部品に潤滑性や耐摩耗性などの機能を付加することを目的に行われます。過酷な生産現場や長期間使用される部品には、潤滑性や耐摩耗性などの機能を付加することを目的として、クロムめっきやニッケルめっきなどの表面処理加工が行われることが多いです。
表面処理加工を必要とする金属部品を設計する場合には、その点を考慮しなければ、表面処理加工(めっき処理)をするために、金属製品に追加加工を行わなければならない場合や、ロール製品の形状によっては表面処理加工(めっき処理)自体が行えない場合があります。
V
After (改善後)
表面処理加工を必要とする部品を設計する場合には、表面処理加工のための構造を予め反映させておくことで、製作工数や当初見込んでいたコストの増加を防ぐことができます。
上記のようなロールに表面処理加工を考慮した形状の場合では、①軸端にメネジ加工を行う、②軸にオネジ加工を行う、③ロール側面にメネジ加工を行う、などの部品の構造設計を行うことが効果的です。
ロールや大型プレートなど、部品形状によって考慮する方法は様々ですが、設計者は設計段階からの構造設計の概念をもつことで部品のトータルコストを削減することが可能になります。
POINT(要約)
めっき処理には必ず施工用治具を取り付けなければなりません。製品毎に取付簡単な構造やそうでないものが様々あり、中には追加加工を行わなければならない製品もあります。また、製品構造により追加加工も多大なコストが掛る場合があります。
これらの要因により、時間的ロスも発生するため、予め後工程の加工を考慮した構造設計を行うことで時間・費用のロスを防ぐ事が出来ます。