Before (改善前)

ロール表面の温度を下げるための冷却ロールは通水ロールと呼ばれます。ロール内部に通水用の水の道があります。
この冷却用の水が内部に溜まらないように、水の抜け道であるドレン排出口を予め設置しておきます。この際に、回転して使用されるロールの特性から一般的なドレン配管と同じように設計をしては、ロール内部のドレン水を抜くことができません。
上記の図のようなドレン配管ではロールの回転している状態、ロールが停止している状態であっても、ドレンが内部に溜まることになります。

V

After (改善後)

ロール内部にドレン水が残らないように、ドレンは配管に角度をつけることが設計のポイントになります。

上記のようにドレン配管に角度をつけ、ロール底辺に届く構造により、ロールの構造体であってもドレンを排出する機能が発揮できることになります。ロール内部にドレン水が残ったままでは、ロールの搬送時の重量増加や、ロール内部の浸食の原因につながります。

冷却機能をもったロールは、鉄鋼業界など生産現場が高温の現場で使用されるため、ロール自体に高い耐久性をもつことで保全工数の削減を実現します。

POINT(要約)

鉄鋼業界など、生産現場が高温環境下であったり、ロールが接触する製品が高温である場合では、冷水仕様のロールが採用されます。

また、このような生産現場ではラインを止めたり定期補修が頻繁に行われないため、ロールの耐久性が必要になります。そのため、ロール内部の水はけ性能(通る水が内部に残ることを防ぐ)のためにドレン排水まで十分に考慮した内部構造の設計が求められます。