Before (改善前)

薬品を化学反応させる容器は化学的に安定性の高い金や銀であることが理想的です。ただし、高価な金属であるため容器すべてを金や銀で製作することは現実的ではありません。その為、コスト面および強度面を考慮して、容器自体は丈夫で安価な材料(鉄系など)で製作し、実際に薬品に触れる容器の内面にのみ金や銀で表面処理を施す構造が主流です。
今回は「銀」に着目した1例をあげますが、容器内面に銀を取り付ける手法として①銀のスリーブを圧着させる、➁銀ろう溶接で肉盛りする、などの工法があげられます。
①の方法であれば、銀の厚みが厚くなる(コスト高)、密着強度も弱いため高温雰囲気で使用すると変形などのトラブルが発生する可能性があります。➁の方法も銀の厚みが厚くなることと、何より銀としての純度が低下するため本来必要としている性能が得られない可能性があります。
V
After (改善後)

当社で施工する銀めっきは、①電気めっき法であるため、厚みの管理がしやすい(厚くも薄くもできる)ことと、➁銀としての純度が【99.999%】と非常に高純度であることが特徴です。銀めっきの厚みについては、μm(マイクロメートル)~mm(ミリメートル)単位でコントロールすることが可能です。高純度であることで耐食性に優れ、また密着力も高いため高温雰囲気下での容器の変形にもある程度追従性があります。
POINT(要約)
反応容器の内面をスリーブ圧着・ろう溶接から「銀めっき」に変更することで、密着力がよく高純度な表面を得ることができます。また被膜厚みのコントロールが出来るので貴金属の使用量を必要最低限としてコストを下げることも可能です。