Before (改善前)

めっき施工後のロール仕上げ加工においてグラインダー研磨の品質課題の一つに送りマークの発生(縞模様)という課題があります。

昨今はロールの表面粗度や外観の要求が高品質化となっており、この送りマークが残るとお客様の要求品質に添えない場合があり、これまで合格であった外観が不合格となっている事も増えてきました。

送りマークはグラインダー研磨条件のワーク回転数や砥石回転数や送り速度、また副資材の研削水の選定など各種条件を組み合わせることでコントロールしていましたが、それでも送りマークが発生する場合があります。

当社ではこれまでのグラインダー研磨の方案では対応できない製品があり、研磨後に別方案追加・工数増加となっていました。

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After (改善後)

単純に送り速度を低速にすればある程度は送りマークの低減化に繋げることができますが、完全ではありません。また、めっき種類や要求品質、ワークの大きさにより条件が様々となります。

当社では生産技術部門によりあらゆる送りマーク発生要因を顕在化し、その対策を検討してきました。結果、グラインダー研磨の作業条件は当然ながら、各めっき種にあった砥石種類とその砥石形状にも着目し、実際のロール研磨評価を繰り返すことにより送りマーク発生を大きく軽減することができました。

現在では各製品により条件を確定し、鏡面研磨に近い送りマークとほぼ同等の送りマークに仕上げることができ、大きな工数削減に繋がっています。

POINT(要約)

グラインダー研磨の条件と設備・副資材を見直すことにより、以前と比較し大幅な送りマーク削減となりました。

具体的には鏡面研磨で仕上げているロールについてグラインダー研磨で仕上げられる表面状態を実現できるようになりました。この対策は当社の全工場で共有化し、それぞれの製品で対応しています。

これにより、工程の大幅削減による納期短縮とコストダウンが可能となり、お客様の更なる高品質・納期コスト削減にのご要求に対応しています。