Before (改善前)

めっき膜厚を均一化させるためにはめっき作業者の経験値に依存する要素もあり、当社ではこれまで多くはトライアンドエラーによる経験値を蓄積し、適正なめっき治具を製作することでめっき膜厚の均一化を図ることが一般的でした。

特に初品のものや複雑形状の製品においてはめっきの付きまわりが想定以上に悪くなることもあり、予定外の追加作業の発生や最悪の場合、リワークにつながるケースも少なくはありませんでした。
リワークとなればお客様に納期遅延の大きなご迷惑をおかけすることにもなりました。

このリワークによる様々な影響、工程遅延やリワークコストの削減は当社では重要な課題となっていました。

V

After (改善後)

当社専用のシミュレーションソフトにて製品のめっき施工前にめっき施工をシミュレーション(電流密度解析)し、めっき膜厚のばらつき発生に対しての詳細な対策を掴むことが可能となりました。

具体的にはシミュレーション結果に基づきめっき治具を設計・製作し、また改良することで、めっき膜厚の均一化(付き回り改善)を図ることが可能となりました。治具製作は各工場に生産技術担当が配置されており、早急な対応が取れる体制としています。

さらに実際のっきの膜厚データを蓄積しシミュレーション解析データにフィードバックすることで、より精度の高いめっきシュミレーションができるように技術の向上を図ることができています。

POINT(要約)

めっき電流密度のシミュレーションを行うことで、これまで経験則によるめっき膜厚の均一化を、解析による施工治具検討を行うことで膜厚の均一化を図ることが可能となりました。

各工場の施工実績のデータを漏れなく共有することができるようになり、最適な体対応が素早くとれる体制となりました。 これにより、たとえ作業者の経験値の有意差があったとしても、安定的なめっき施工品質を確保できるようになりました。