Before (改善前)

フィルムを搬送する場合、必ずテンション(張力)をかける必要があります。
テンションの条件は、「フィルムの種類」や「ラインの長さ」「工程の種類」によって変わります。特に工程の種類に関しては、1つのライン内であっても、各工程の前後で意図的にテンションを変更しなければいけない場合があります(コーティングや巻取り前など)。この意図的にテンションを変更することは「テンションカット」とも呼ばれています。
テンションカットの方法はいくつかありますが、一般的には2本のロールで挟み込む(ニップする)方法が採用されています。ただしニップ方式の場合、2本のロールのアライメントが崩れている場合、テンションカットはできてもフィルムを蛇行させシワを発生させる原因になったりします。

またフィルムをニップさせずにテンションカットする方法として、「サクションロール」というロールを用いることがあります。このロールの表面には多数の小さな穴が開いており、ロール内部から空気を吸引することで、フィルムを吸い付けてテンションをカットすることができます。ただし吸引するためにはロール以外に個別の吸引装置が必要となり初期投資に費用がかなり発生してしまいます。

V

After (改善後)

テンションカットにおける上記のような問題を解決する方法として、ロールの表面に小さい溝を切ってある「微細溝ロール」を提案させて頂きます。 テンションカットで1番重要になるのは、ロールとフィルムが十分に「グリップ(摩擦)」していることです。微細溝ロールの1番の特徴であるロール表面の小さな溝が、フィルムとロールの間に存在する「空気」を逃がすことで、十分な摩擦力を確保することが可能となります。
またニップ方式のようなフィルムのねじれなども発生しにくいため、蛇行・シワの低減化にも効果があります。ただし「ロールの外径」や「テンション比の差」「搬送速度」「抱き角」などの条件によっては適用できない場合もあるので、是非1度当社へご相談ください。

POINT(要約)

フィルム等の搬送設備内でのテンションカットの方法に微細溝ロールをご採用頂くことで、初期投資のコストダウンに加えて、フィルムの蛇行・シワの大幅な低減が可能となり、安定的な生産や品質確保を実現します。