Before (改善前)

 ロール表面をマット仕様に仕上げる場合には、溶接位置がロールの品質に影響を及ぼすことがあります。上記のような場所に溶接部が存在すると、表面処理施工後にこの箇所へ溶接線が発生する可能性があります。
フィルムの搬送などに使用するロールの場合、このような溶接線はわずかな出っ張りとなり、ロールとフィルムの間に空間ができる原因となります。この時にロールとフィルムの間に空間が生じると、ロールと搬送物の密着性が低下し、搬送トラブルにつながってしまいます。

V

After (改善後)

フィルムなどを製造するにあたって、搬送ロールと製品を密着させることで安定した搬送を実現するためには、ロール表面に均一な表面処理加工が行いやすい構造設計を行うことがポイントとなります。

ロールを組み合わせる溶接部を表面処理範囲から外す構造にすることで、表面処理加工後の溶接線の発生リスクを回避する事が出来ます。溶接線がロール表面に発生しないことで、研磨工程の工数削減や表面処理加工の品質安定に直結し、搬送性の高いロールの製造が可能となります。

特にマット仕様(製品とロール表面の密着性)が求められるロールには、非常に重要な構造設計のポイントとなっています。

POINT(要約)

製紙やフィルムのような、1つの生産ラインの長さが何十メートルにもなる業界のロール搬送は、製品とロールの密着性が非常に重要です。

ロールへの表面処理加工により空気の入り込みの防止や、空気抜きを行うことは当然ですが、そのためにも、ロールの設計段階の構造を考慮するコトが搬送品質の安定につながります。