Before (改善前)

一般的に、ロールの高精度研磨は軸やセンター穴を基準として、ロール単体で加工を行います。ロールには、基本的に図面で指示された基準となる軸(多くはベアリングがはまる箇所)があり、弊社でもこの軸部を基準として、それに対して、軸部・ロール本体を高精度研磨加工します。過去の加工実績では、ロール単体で機械精度(真円度・円筒度・振れ)0.5μm以下という実績があり、上記のようにロール単体で1μm(0.001㎜)以下で加工を行うことが出来ます。
ただ、お客様のところでは、ロール単体でご使用されるのではなく、ロールにベアリングやハウジングを組んだ状態でご使用されます。ベアリング/ハウジングにも当然機械的な精度があり、結果、ベアリング/ハウジングを組んだ後に振れ精度を測定するとロール単体の時よりも悪化するケースがあります。

V

After (改善後)

上記の様に、ロールにベアリング/ハウジングを組んだ状態で振れ精度が悪化しないように、組み立ての際には細心の注意を払って組み立てを行っております。高精度ロールには、当然ながら、高精度のベアリングが採用されており、精度悪化が小さいケースがほとんどであります。しかしながら、高精度ベアリングがなかなか手に入らず一般精度のベアリングを使用するなど、様々な事情により、ベアリング組後に精度が悪化するケースもあります。そのようなときにはベアリングを組んだ状態での高精度研磨も実施可能であります。ベアリングの構造や機構にもよりますので全てのロールで対応可能というわけではありませんが、上記のテータのように、ベアリング組み立て後に精度研磨を実施することで、ベアリング組み立て後の振れ精度1μm以下という高精度化が可能であります。

POINT(要約)

ロール単体での高精度研磨だけでなく、ベアリングを組んだ状態での高精度研磨の加工を行うことで、お客様のご使用環境に沿った形での高精度化に貢献します。