Before (改善前)

 溶接構造のロールに於いて、ロール内部ガス抜きが設けられていない場合、溶接部に欠陥が発生しやすくなります。しかし、溶接のガス抜きが無ければ、密閉構造からガスの滞留が起こり、熱膨張したガスの圧力によって溶接部などにブローホールなどによる欠陥が起こる確率が格段に上がります。
サイズ径:φ4,000や、全長が10,000を超えるような大型ロールの場合には、溶接の品質を浸透探傷試験等で確認すると非常に作業工数がかかってしまいます。

V

After (改善後)

溶接時にロール側面にガス抜き穴を事前に設計しておくことによって、ガス膨張の原因となる密閉構造を回避できます。

このガス抜き穴によって、溶接時に使用するシールドガスがガス抜き部から流れ出ることで、ロール内部にガスが滞留することはなく、圧力が上がらないため、ロールの溶接品質を安定させることが可能となります。

また、ガス抜き穴を設計しておくことで、浸透深傷試験などでの溶接品質の確認に於いても作業工数を削減することができます。

POINT(要約)

ロールを製作するにあたって、ブローホールなどの溶接欠陥を防ぐためには、ロールの側面にガス抜き穴を予め設計しておくことがポイントとなります。

ロールのサイズが大きくなればなるほど、溶接傷を探すことも困難となるため、基礎的な設計を徹底することが重要となります。