Before (改善前)

中空ロールはめっき槽や前処理槽へ浸漬させようとすると、内部が空洞になっており浮力が強く働きます。この浮力によって、中空ロールが槽から浮いてしまうので、ロール全体をめっき槽や前処理槽に沈める事ができずに、表面処理加工を行うことが難しくなってしまいます。
特に大型の中空ロールは内部の空洞の体積も大きいため、めっき槽や前処理槽に沈める事が中空ロールの中でも非常に難しくなっています。中空ロールはこの特性を考慮した構造設計が必要です。

V

After (改善後)

使用される業界によってロールの求められる機能性は異なります。鉄鋼業界向けの耐熱性や、製紙業界向けの耐食性など、ロールに表面処理加工を行うことはロール本体のスペックの向上に必要不可欠です。

表面処理加工を行うためには、めっき槽や前処理槽に沈める工夫を設計段階から行っておくことがポイントです。例えば、ロール吊下側の軸部にネジ加工を追加し、ロールへウェイトを取り付けることで、中空ロールであっても安定してめっき槽や前処理槽へ沈める事ができます。

これにより、軽量で機能性を満たしたロールが製作することができます。

POINT(要約)

中空ロールは軽量である利点はありますが、浮力対策を行うことが必要になります。ロールに表面処理加工を行うために、ロール全体を溶液の入った槽に沈める工夫を設計段階から考慮しておくことが、表面処理工程における作業性の向上を実現します。

浮力に対応するウェイトの取付は、ロール本体のちょっとした構造設計によって行うことができます。