Before (改善前)

当社ではロール新作の他に再めっき補修も対応しておりますが、特に長年使用されたロールや腐食環境の厳しい箇所で使用されたロールについては、ロール表面だけでなく、角部においても腐食(もしくは打痕キズ)がひどい場合が多々あります。
上記の写真は再めっき補修の依頼として当社に支給されたロールですが、既存のCrめっきを剥すと角部に腐食及び打痕キズが確認されました。特に腐食部は除去しておかないとめっきの密着不良の要因にもなります。
また、ロール側面の腐食もひどく、このまま使用継続するとお客様が製造される製品に対して、悪影響を及ぼす可能性があります。

V

After (改善後)

角部を修復する為、お客様の了承を得たうえで旋盤加工にて角部をカットし、形成したうえで再めっきを施しました。

なお、形成する際には、お客様のご要望によって、C面、R面、シャープエッヂなどの形状を選択することも可能です。旋盤加工で角部をカットしますので、面長が多少短くなりますが、事前の仕様打合せで形成後の面長を把握することができます。

また、側面の腐食部も除去をして、防錆塗装を施しております。

POINT(要約)

今回は旋盤加工で角部をカットしたうえで再めっきする手法を紹介いたしましたが、面長をキープしなければならない場合、カットした部分を肉盛溶接する手法や腐食部分及びその周辺部分を旋盤加工で削り落とし、削り落とした部分にリング(カラー)を嵌めこんで修復する手法もございます。

ロール表面が綺麗に修復されていれば問題ないと思われがちですが、角部につきましても再めっき前に念入りに検査をし、必要であれば修復をすることによって、操業時の更なるリスク軽減やロール自体の長寿命化につながると考えます。

また、側面につきましては、ロール新作時に側面までNiめっきやCrめっきを回しこみ、防錆対策をとることで腐食発生を遅らせることが出来ます。当社では大型ドラムや長尺ロールを多く取り扱っておりますが、ドラムやロールを一体型にする前に、例えば軸ヘッダーのパーツ状態でNiめっきやCrめっきを施しておりますので、新作時はサイズを問わず、何らかの防錆対策を提案させていただきます。