Before (改善前)

当社が鉄心製作及び表面処理を施している各種ロールは、主にフィルム/プラスチック業界(光学フィルムや包装フィルム、樹脂容器など)、製鉄業界、製紙業界で使用されていますが、ロールが装置に取り付く部位及びその用途によってスペックが決められています。
そのスペック項目の中で動バランス/静バランス/動振れ等が定められておりますが、例えば、動バランスや静バランスは、セル/側板/軸を組立てた後の一次加工段階で外側板にタップ穴やキリ穴を開ける方式やバランスウェイトを外側板に溶接やボルトで固定取り付けをする方式があります。但し、デメリットして、穴が開いていることによりゴミが溜まったり、穴が多いと強度低下になりますし、バランスウェイトが付いていることにより外周装置に干渉することがあります。また、見た目が悪いという点も挙げられます。

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After (改善後)

外側板に穴を開けたり、バランスウェイトの取り付けを極力回避する為にセル単体の状態でバランス精度を良くする必要があります。
方法としては、内径ボーリング加工で板厚を均一化することにより、セル組立後のアンバランス量を極力抑えるようにします。また、同時に動振れを抑える効果や冷却/加熱時の温度ムラ低減効果及びニップの均一化の効果もあります。
当社鹿沼工場にて保有している特殊内径ボーリング装置は、大径及び長尺ロールに対応していますので、様々なロールサイズで適用可能となります(最大外径φ1520、最大内径φ1300、最大面長11000㎜、最大重量25ton)。
なお、リニアモーター制御による加工の為、中央つなぎ目がありません。

POINT(要約)

出来る限り、ノーメンテナンスでロールを使用いただく為に鉄心製作や表面処理時のプロセスで様々な工夫を凝らしておりますが、各ロールスペックに対して、品質低下や逆に過剰品質によるコストUPにならないよう心掛けております。お客様で使用されるロールの各精度や表面処理において、適材適所となるようなスペックを提案いたしますので、お困りごと、疑問点などございましたら、お気軽に当社へお声がけください。