Before (改善前)

お客様の中ではブラスト処理されたマット(梨地)ロールやエッチング加工されたロールなど、フラットな表面ではなく凹凸や希望の柄(形状)を付けたロールも使用されているかと思います。
新たな柄を検討する際に、一足飛びに実際の生産用のロールに加工することは、実際に製品を出した時に、希望された形状通りに製品が出来ないこともあり、生産ロスや再加工に必要な費用、納期など非常にリスクを伴います。そのため、多くのお客様は事前にテストピースなどでご評価をされ、弊社も依頼を受けます。テストピースも一柄ずつ検証していては、時間がかかるので、同時平行で複数の柄の検討を進めることがあります。ですが、実際の生産をロールで想定されているのであれば、平板での初期評価はあまりお勧めできません。
平板とロールではブラスト処理の施工方法やブラスト材の大きさなど条件が大きく異なります。また、お客様の試作でも平板とロールでは条件が異なるかと思います。その結果、平板で決めた条件で実際にロールを加工しても、お客様で製品を作ってみると、希望通りの柄(形状)になっていない場合が多々あります。

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After (改善後)

弊社では、テストピースの段階からロール形状での評価を推奨致します。それも、テストと製品の再現性を高く望まれる様でしたら、ロールの直径値も近い方がいいと思います。※長さはそれほど影響しないでしょう。費用は若干高くはなりますが、①テストピース(平板)評価→②テストロール評価→③初品製品評価という順番の中で①を省くことで開発期間の短縮や、初期からの高い再現性が見込めますので②から③への移行もスムーズに進められると思います。

また、テストロールは1本のロールに1柄しか加工出来ないということはなく、柄(形状)の加工方法によっては1本のロールに複数柄加工することも可能であります。そのようなロールを使用し、お客様の条件は共通で、柄の違いを見ることも可能であります。柄を変えて検証したい場合には、表面を研磨し改めて別の柄を加工することも可能であります。

POINT(要約)

新しい柄(形状)を検討する際、初期の費用を抑えるために平板でのテストから始めることがありますが、最終的にロールでの生産を想定するのであれば、テストの段階からロールで検証した方が、結果的には短期間、低コストでの検証になる可能性があります。