Before (改善前)

液中浸漬ロールとは、Roll to Rollで生産されるシート形状の製品の製造過程において、製品表面へ各種加工・表面処理・洗浄をする目的で液中に配置されるロールになります。中にはガイドロールの役割を持つものもあります。
主な使用先業種としては、製鉄・製紙・樹脂フィルムなどが該当します。一般的に耐摩耗性や耐食性を求められる浸漬ロールには、サージェントクロムめっきが被覆されています。しかし、写真のように皮膜内に無数のマイクロクラックを有しているクロムめっきでは、母材まで貫通するクラックが確認される場合があります。クラックを通じて腐食液が浸透し、母材を腐食させ、めっきのフクレや剥離を発生させる場合があります。クロムの皮膜自体は耐食性の良い金属になりますが、母材が腐食することでロール自体に不具合が発生し、寿命となります。

V

After (改善後)

母材にSUS材の使用や、ニッケルめっきをクロムめっきの下地に施工することにより、この問題は改善しますが、コストアップにつながってしまいます。そこで、弊社が開発しためっき『R-62』の採用をお勧めします。

R-62は、サージェントクロムめっき浴をベースに改良しためっきであり、マイクロクラックが非常に緻密であることが特徴です。緻密であるため母材まで貫通するクラックが少なく、結果として、母材の腐食による問題を改善してくれます。また皮膜硬度が、サージェントクロムと比較するとR-62では15%程度高く、その性質から耐摩耗性が向上します。

POINT(要約)

R-62の緻密なマイクロクラックにより、コストアップを大幅に抑え、母材の耐食性改善が可能になります。耐摩耗性はサージェントクロムよりも良好であり、この点においても長寿命化によるコストメリットが出ます。操業条件で仕様を決定する必要があり、先ずはご相談ください。