Before (改善前)

ロールやモールドなど製品の管理項目の一つとして表面粗さがあります。
表面粗さの規格はJISでも規格されており、現行の粗さ規格はJIS B0601-2001であります。この粗さ規格ですが、国際規定との整合性を測るため見直しがなされています。ひとつ前の規格でJIS B0601-1994という規格があります。この二つの規格ですが、いくつか変更点があり、注意しないといけないところがあります。
最も注意が必要な変更点が、表面粗さで良く使用する最大高さの表記がJIS B0601-1994ではRy表記であったものが、JIS-B0601-2001 ではRz表記となっております。このRz表記ですが、JIS B0601-1994でも使用されており、その場合は十点平均粗さという別の評価数値となります。新たに図面を作成する際などにRz表記で粗さを記載した場合、どちらの意図で記載しているかはっきりしておかないと、品質に不具合が発生してしまいます。

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After (改善後)

弊社や多くの表面処理関連企業では上記の混同を避けるために、現在でも旧規格のJIS B0601-1994を使用しているところが多くあります。

この場合、図面上にRyの表記があれば旧規格のJIS B0601-1994であることが分かり、Rz表記があっても旧JIS規格なので最大高さではなく、十点平均粗さだと判断出来ます。お客様で図面を作成される場合も新JIS規格ではなく旧JIS規格のJIS B0601-1994に基づいた表記をおすすめ致します。ちなみに十点平均粗さを新JIS規格で表記する場合にはRzJIS(JISは下付き文字)と記載すると混同が避けられます。

POINT(要約)

ロールやモールドなどの表面粗さの規格はJISで規格されていますが、改正が行われています。いつの規格かを明確にしておかないと品質に不具合が生じます。

本来であれば、最も新しい規格で運用すべきですが、表面粗さの規格に関しては旧JISで運用されているものも多くあります。図面や仕様書に記載する場合には、いつの規格かを明確にしておくと品質の不具合や祖語を防ぐことが出来ると思います。