製品属性(仕様)
付加 特性 | 親水性 | 表面 処理 | 親水性クロムめっき(ポーラスクロムめっき) |
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業界 | 製紙・印刷、その他 | サイズ 重量 | Φ300×2000など |
加工 サービス | ロール製作~表面処理まで | 母材 | 鉄 など |
製品画像(様子)
特徴
アプリケーターロールとは、紙などのシートに安定的に液体を供給するためのロールです。安定的に液体を供給するということは、ロール表面に均一に液体が付着している必要があります。もしも部分的に液体が付着していなかったりすると、その箇所だけが不良となり歩留まりを低下させてしまいます。
液体を均一に付着させるためには、ロール表面の親水性が高い(水の接触角が低い)必要があります。そこでアプリケーターロールには、親水性が高いポーラスクロムめっきが採用されています。ポーラスクロムめっきは、硬質クロムめっきを施工したあとに「熱処理」や「薬品処理」を施すことで、クロムめっきに従来発生しているマイクロクラックをあえて広げることで表面積を上昇させた被膜のことを言います。表面積を上げて親水性を高める方法として梨地(サンドブラストなどで表面を荒くした表面処理)などもありますが、ロール表面全体がざらついた表面となるため液体を塗布する製品に梨地の模様が転写してしまいます。ポーラスクロムめっきであればクラックの溝は広がってはいますが、それ以外の面は平滑な面(Ry=0.6Sなど)であるため、液体を塗布する製品にも均一な面を再現することが可能となります。硬質クロムめっきであるため、耐摩耗性にも優れています(Hv=900と非常に硬いため)。
ポーラス処理は各種処理の条件を変えることで、親水性の強弱を調整することも可能です。塗布する液体の種類によっても必要とする親水性は異なりますので、まずはテストピースから最適な表面処理を一緒に模索しましょう。