製品属性(仕様)
付加 特性 | 離型性 耐摩耗性 | 表面 処理 | クロムめっき+テフロン |
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業界 | 製紙業界 | サイズ 重量 | 最大サイズ:外径Φ600全長×2800L |
加工 サービス | (素管製作+) 表面処理 | 母材 | 鉄系他 |
製品画像(様子)
特徴
抄紙機(特に再生紙を生産する)設備で、紙に含まれる不純物がピッチとしてロールへ付着する現象があり、その対策としてテフロン被覆ロールが用いられます。このピッチの粘着力が強すぎる場合、テフロンの離型性能だけではピッチが取れないことがあります。通常のクロムめっきロール等では、掻き取りブレード等を当ててピッチを除去することができますが、テフロン皮膜に掻き取りブレードを当てると摩耗が激しいため、テフロンロールへのブレードの適用はなかなか難しいといった問題があります。 この問題を解消させるために、テフロン被覆ロールの表面に耐摩耗性の良いクロムめっきを分散して露出させたロールを開発しました。このロールは下地にブラスト処理で凹凸形状を形成させた上にクロムめっきを行い、さらにその上にテフロンを被覆させた後研磨を行って、テフロン表面にクロムめっきの凸部を分散して露出させたものです。 クロムめっきが露出しているとはいえ、露出部が表面のごく一部だけであるためテフロン被覆本来のの離型性能にはほとんど影響を及ぼしません。またロール表面に細かく分散してクロム露出部があるため、ブレードを適用しても必ずブレードがクロムめっきと接触するため、ブレードによるテフロンの摩耗を防ぐことができます。 以上のようにこのロールはテフロンの離型性だけではピッチのような粘着性物質の固着を防ぐことができず、ブレードを適用したいが耐摩耗性の問題でそれが難しいといった場合にその解決策となるものです。 実機での使用例としまして抄紙機の最初の個部分のどろどろの紙の原料がプレスされ紙の形状になった直後に接触するロールや、塗工液を紙に塗った直後の箇所のロールがあります。 なお、製紙業界だけでなくフィルム製造工程でも、特にPP樹脂フィルムの場合はかなり粘着力が高いため、テフロン被覆ロールですら固着した事例があり、そういった場所での適用実績もあります。