製品属性(仕様)
付加 特性 | 高硬度・耐摩耗性・その他 | 表面 処理 | その他 |
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業界 | 電気・電子・その他 | サイズ 重量 | Φ100㎜以下/10kg以下 |
加工 サービス | 表面処理(ガスクラスターイオンビーム) | 母材 | SKD11,SUS304,SUS403,WC,SiC,A5052など |
製品画像(様子)
特徴
タフカーボンの特徴としましては、「高硬度」、「高耐熱性」、「高密着性」の3点が大きく挙げられます。
硬度につきましては、ビッカース硬度49GPa(Hv5000)を有します。一般的なプラズマプロセスなどの成膜手法で形成したDLC(ダイヤモンドライクカーボン)の硬度は14.7~29.4GPa程度となりますので、当社のタフカーボンは高硬度の位置付けとなります。また、これにより、高い耐摩耗性が得られます。
次に耐熱性につきましては、タフカーボンは無酸素雰囲気においては、500℃までHv5000を有します(但し、大気中では400℃から酸素と反応し、消失し始める為に、400℃以下で使用していただく必要がございます。一方、DLCの耐熱性はおよそ200℃でありますので、タフカーボンは常温だけでなく、高温雰囲気でも高い耐摩耗性を維持することができます。
最後に密着性につきましては、例えば超硬基材においてスクラッチ試験の結果、タフカーボンは100Nの値が得られることを確認しております。また、超硬以外の基材の場合でも、DLCと同等以上の密着性は得られております。通常、DLCは高密着を得るために基材とDLCの間に中間膜を形成しますが、タフカーボンの場合、中間膜を形成せずに超硬基材との密着性100Nを確保できます。中間膜が不要であることは、金型など再被覆が必要な応用分野におきましてはタフカーボンを構成する炭素のみ除去すれば良いため、例えば酸素プラズマなど容易に除膜できることとなります。
以上、タフカーボンの主な特徴について、3点挙げさせていただきましたが、その他の特徴としまして、低摩擦係数(約0.1)、表面平坦性(Ra=1nm以下)及びDLC比較で電気抵抗が低いことが挙げられます。また、膜厚の制御性が良いため、1μm以下の膜厚での被覆が容易であります。しかも極めて高い硬度を有しますので、基材の表面加工精度を損なわないサブミクロンの薄い膜厚におきましても、高い表面改質効果が期待できます。
次にタフカーボンの応用事例を紹介いたします。上の写真にもございますが、切削チップなどにおいて長寿命化の実績がございます。特に対アルミニウム切削において効果的であり、Φ100×1800㎜サイズのアルミロールの粗加工においてタフカーボンを被覆した切削チップをテスト使用したところ、未被覆のチップで1本で切削加工できるロールは3本でしたが、タフカーボン処理することにより、18倍の54本を削ることが可能となりました。
また、紙・フィルム切断用スリッターや電子部品向けパーツフィーダー用部品など用途実績が徐々に増えてまいりました。試作対応可能ですので、是非当社までお声掛けください。