製品属性(仕様)
付加 特性 | 離型性 | 表面 処理 | 高硬度クロムめっき |
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業界 | フィルム | サイズ 重量 | φ450x2000面長以下 |
加工 サービス | 表面処理 | 母材 | 鉄、他 |
製品画像(様子)
特徴
光学フィルム用の金型には、100μm以下のような非常に微細な彫刻が彫られているもがあります。微細な彫刻形状を実現する為、彫刻加工性がよい銅めっきが多く採用されています。ただし銅めっきは柔らかく物が触れるだけで彫刻形状が壊れてしまうため、彫刻形状を保持する為に硬質クロムめっきを被覆します。
UV樹脂での光学フィルム成型において、金型からの「離型性」は非常に重要なファクターとなります。彫刻形状を保持の為に施工している硬質クロムめっきですが、ある一定のめっき厚みを超えるとクラックが発生しやすいという特性があります。金型からの離型性において、ことクラックは非常に邪魔な存在となっています。特にピッチ100μmを下回るような微細彫刻を施した金型でUV樹脂を成型する場合はなおさらです。
このクラック問題を解決するために、クラックが入らない非常に薄いめっきを施工する方法があります。そのめっき厚みはなんと「1μ以下」です。残念ながら極薄めっきの為、耐摩耗性や高硬度は期待出来ず「離型性の追求」に特化しています。極薄めっきであるため、写真のとおりめっき前後で彫刻形状をほぼ変えずにめっきできます。ただし極薄めっきと言ってもやはり厚みはある為、最終成型品の寸法とめっき厚みを考慮した下地形状の設計をしておく必要があります。彫刻形状自体が非常に精密であるため、クロムめっき後に追加工は不可能です。その為、樹脂成型に必要とされる範囲内でのシミ・ムラなどは全て欠陥となるので、めっき後の管理も非常に重要となります。
下地の彫刻もめっき施工も非常に精度が求められるため、実機への施工には多数回のテスト施工を必要とします。その為、製品となるまでには相当の時間が掛かる難点があります。また、気温・湿度等の外的要因により変化も見られます。施工までに多種の打合せが必要となる非常にコアなめっき施工ではあります。
円筒金型への施工限定ですが、ご興味をお持ちになられましたなら是非ご相談願います。