製品属性(仕様)

付加
特性
親水性 表面
処理
特殊マット被膜(電気めっき)
業界印刷機、その他 サイズ
重量
Φ100×1000
加工
サービス
表面処理 母材

製品画像(様子)

特徴

印刷機械のラインの中には、水を安定的に供給しなくてはならないパートがある。オフセット印刷では、常に安定的に必要な水の量(供給が多いときには除去し、少ないときには補充する)を保持できることが好ましい。従来であれば、熟練したオペレーターの経験技量により水をシビアに調整・管理することで印刷ムラの軽減、印刷品質の安定を図っていたが、常に一定の品質を保つことはやはり難しいのが現実であった。

そこで人の手を介さずに水を安定的に供給する方法を考えた結果、ロール表面に高い親水性を付与する表面処理を施工する方法を模索した。従来親水性が高い表面処理として「梨地」や「ポーラスクロム」が採用されていたが、安定的な供給にはマッチングしなかった。その為より親水性が高い表面処理を開発するに至った【特殊マット被膜の誕生】

特殊マット被膜の親水性は非常に高く、水の接触角はポーラスクロムの約1/3である(約10°)。めっきの種類としてもクロム系であるため、硬く耐摩耗性にも優れており(Hv=1000)、長期安定性に優れた表面処理だといえる。実際にロール表面に特殊マット被膜を施工した結果、水を均一に汲み上げることができるようになり、印刷ムラがほとんど発生しなくなった。ほぼ自動的に水の量を調整できるようになることで、オペレーターにかかる負担は大きく改善された。またオペレーターごとの技術的差異も関係なくなるため、技能の伝承など特別な取り組みをする必要もなくなった。何より水を安定的に供給できるようになったため、印刷ムラがなくなり「品質」「生産性・歩留まり」を向上させることが可能となった。

現在では特殊マット被膜の研究を進め、搬送物(ウェブ)のハンドリング性を向上させる機能も備えていることが判明した(グリップ力強化、蛇行防止、など)。その為、印刷機向けだけでなく、フィルム業界などでも多く使用されている。