製品属性(仕様)

付加
特性
鏡面性 表面
処理
クロムめっき
業界フイルム 製紙 サイズ
重量
種々
加工
サービス
めっき 母材種々(炭素鋼・ステンレス系等)

製品画像(様子)

特徴

フイルムや製紙業界で、表面粗度の細かい(光沢性が高い)フイルムや紙を製造するラインでは、一般的には鏡面加工されたロール(表面処理としてクロムめっきやサーメット系溶射及びステンレス材そのものの場合もある)へ加熱されて半溶融状態になったフィルム原材料を載せて、ロールの表面の機能品質を樹脂に転写し、それをフィルムにしたり紙と合わせたりして製造しています。

近年、市場でのフィルムや紙の要求品質に応えるために、ロール表面形状をより正確に転写するよう更に高い温度の半溶融状態の樹脂で製造されるようになってきています。
そうすると、樹脂が当たるロール表面の温度が上がってくることになります。先ほど挙げた3種の表面仕上げ(クロムめっき,ステンレス,サーメット系溶射)で比較すると、クロムめっきが他皮膜と比較し、傷が入りにくく光沢性が高い表面仕上げとなりますが、クロムめっきには特有のマイクロクラックと呼ばれる細かな割れがあり、これが加熱されると徐々に広がっていくという現象があります。

クラック幅が拡大するという現象は皮膜が薄い場合はかなりの温度でもクラックが広がることはありませんが、めっき厚みが厚くなるほどこの傾向が顕著になります。このクラック幅がある領域まで拡大すると、製品に転写するという事態が発生します。このためお客様から、<クラックの拡大が起きない、またはクロムめっきと同等レベルの鏡面性と耐摩耗性を持つ皮膜はないか>との要望があり、めっき種やめっき条件、添加剤の検討など種々条件を変えてめっきを行い、熱処理でクラックの広がりにくいめっき条件やめっき種・めっき工法の比較試験を行ってきました。

その検討の結果、クロムめっきを施工する際にめっき条件を変化させることで耐割れ性が向上させる方案が研究され、現状テストピースレベルですが、今後実機テストや商品化に向けて検討を行っていきます。