製品属性(仕様)

付加
特性
耐摩耗性、耐食性 表面
処理
クロムめっき+ニッケルめっき
業界製紙 サイズ
重量
Φ300~900程度
加工
サービス
表面処理 母材

製品画像(様子)

特徴

メタリングロールは、紙などの搬送物に塗布する塗工液を均一に供給する為のロールです。その為、紙を作る製紙用マシンや塗工機マシンなどに起用されています。メタリングロールは上図のように、液体を供給するファウンテンロールと紙(ウェブ)に液体を実際に塗りつけるアプリケーターロールに挟まれて使用されています。

メタリングロールが開発された当初、耐摩耗性をよくするためにロールの表面にはクロムめっきが採用されていました。しかし紙の種類の増加に伴い、目的に応じて塗工液の種類を変えたり様々な填量が配合されることで、今までは発生していなかった腐食が発生するようになりました。クロムめっきには微細なひび割れ(クラック)が存在しています。長期的使用に伴い何らかの原因でクラックは広がると、その割れ目をつたって塗工液がロールの下地に到達することがあります。そうすることでロールの下地に錆びが発生したり、その影響でクロムめっきの膨れ(場合によっては剥離)が頻発するようになりました。

そこで上記腐食に対応する為に野村鍍金では、耐食性がよくまたクラックが存在しないニッケルめっきの採用を提案しています。メタリングロールの下地にニッケルめっきを被覆し、その上に耐摩耗性を保持する為クロムめっきを被覆します。そうすることで、万が一長期使用に伴いクロムめっきのクラックが広がったとしても、下地に耐食性がよいニッケルめっきが存在することで腐食を低減させることが可能となります。クロムめっき一層の仕様と対比すると、下地にニッケルめっきを採用していることで使用寿命は1.5~2倍になったという実例もあります。そうすることでロールの交換頻度が減り、ランニングコストを抑えることができます。ただし使用している塗工液の種類や使用環境によっては、下地にニッケルめっきを施工していたとしても腐食が発生することは残念ながらあります。その場合には、各種めっき厚みを厚くするなどコントロールすることで、より長期使用できる可能性があります。