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クロムめっきの耐食性は表面の酸化皮膜(不働態膜)が大きく影響しています。クロム金属は非常に活性な金属であり、酸化皮膜が無い状態では鉄よりも溶けやすい状態となります(標準電極電位;Cr:-0.74、Fe:-0.44)。
表面に出来た薄く緻密な酸化皮膜が強固なバリア層として働いております。従って、この酸化皮膜を侵食する薬剤に接触した場合には錆が出る場合があります。酸化皮膜を侵食する薬剤は塩素を代表とするハロゲン化物で、身近なものではトイレ洗浄剤やカビ取り剤等で使用されている次亜塩酸が配合された薬剤がそれらに該当します。
時には、人の汗が付着したことでクロムめっきが変色(腐食)する場合もあります。また、表面に付着したホコリや汚れを放置しておくと、これらに含まれた塩素や硫黄により腐食した事例もあります。
クロムめっきを被覆したあとは表面を清潔に維持することが必要です。