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一言で『ロール』と表現しても、その構造や機能は千差万別です。外見は単純な円筒形状に軸がついた形に見えますが、目的、用途に応じた内部構造となっています。
ロールの中にはロール自体を冷やしたり、温めたりするために内部から温度調整できる機能を有しているものがあります。温度調整には水や油や蒸気あるいは電気の力を利用するロールもあります。ロール内部や軸の穴の中にニッケルめっきが処理されているのは、多くは水を利用して温度調整をするロールです。水や油が流れるロールの内部や軸の穴のことを『流路』と呼ぶことが多いのですが、ニッケルめっきが処理されていないロールでは、流路が常に水と接触し続けるために、素材の腐食が進行していきます。腐食が進行すると流路が細くなり、水の流れを妨げてしまい、その箇所だけ温度調整が機能しない状況になります。ロール表面の温度に不均一な状況が発生すると、製品となるフィルムや紙にも厚みのムラや乾きムラなどの不具合が発生します。
このように温度調整に水や蒸気を利用するロールには内部にニッケルめっきが処理されており、同じような構造でも油で温度調整する場合には、ニッケルめっきが処理されていないケースが多くあります。
古い図面でロールを新規製作する場合や新たにロールを設計、製作する際には、温度調整の媒体が水なのか、油なのかを確認して、それに合わせた内面の処理を施すようにご注意ください。