Answer (回答)

破壊式でのめっき皮膜の厚さ測定方法につきまして、当社では以下の2通りで評価しておりますので、紹介いたします。

 

①顕微鏡断面試験方法

最も代表的な破壊によるめっき厚さ試験法で、方法の要点はめっきの垂直断面から、顕微鏡、微小硬度計のスケール等を利用して直接めっき厚さを測定します。実際の手順は、試料の切り出し等事前準備、低融点合金や樹脂による試料の封入、しかる後に観察面を鏡面にまで研磨することからなります。但し、このままの状態では、めっき層と下地との境界が不明瞭でありますので、金属に応じた腐食液(エッチング液)にて素材ないしめっき層側を軽く腐食させます。

顕微鏡断面試験方法には、欠点として樹脂や低融点金属に埋め込み研磨する段階で研磨ダレにより、誤差を生じてしまいますので、時に試料の表面に研磨ダレ防止のためにさらにめっきすることがあります。なお、膜厚測定だけではなく、めっき皮膜の金属組織の観察や硬度測定も同時に行える利点もあり、新たな皮膜開発や不適合原因調査には欠かせぬ試験法となります。

 

②電解式試験方法

定電流電解によって、めっき皮膜の微小な一定面積を陽極溶解し、皮膜が溶解除去するのに要する時間が厚さに比例することを利用して、めっき皮膜の厚さを求める方法であります。めっき皮膜が溶解し終わった時点で電圧が急変するのでこれを終点として検出しています。なお、単層のめっき皮膜だけでなく、多層構成のめっき皮膜でも測定できます。また、破壊式の検査方法ですが、装置に電解セルがセット出来れば、どのような形状の製品でも素材を破壊することなく測定できる特徴があります。