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急速な技術革新に伴ない、機械部品、装置に使用される金属材料には様々な機能・特性が要求されるようになりました。そこで冶金学的な金属材料は、単一金属から合金及び複合材料へと発展してきております。複合材料とは、2種類以上の材料を組み合わせて要求される耐摩耗性・強度などの機械的特性を得るようにした材料のことをいいます。なお、複合材料は、高強度繊維で補強した繊維強化型複合材料と微粒子で補強した粒子分散複合材料とに大別されます。従いまして、めっき皮膜に対しても高機能性・多機能性が要求されてきており、単一金属のめっき皮膜ではこれらの要求に対応できない時代となりつつある為に複合めっきの開発が進んでおります。

複合めっきとは分散めっきとも呼ばれており、めっき皮膜中に微粒子を分散共析させたもので1種の複合材料であります。当社でも早くから複合めっきの開発研究に取り組んでおりまして、ビーカーワークレベルではございますが、酸化クロム分散コバルトめっき、テフロン分散ニッケルめっき、アルミナ分散無電解ニッケルめっき、ダイヤモンド分散無電解ニッケルめっき、炭化ケイ素分散ニッケルめっき等、多数の施工実績がございます。なお、複合めっきの場合、粒子を分散させるめっき皮膜のことをマトリックスと言う呼び方をします。

複合めっきの特徴としましては、金属と微粒子という特性の全く異なる材料を組み合わせることにより、金属が単独では発揮できない複合的な特性が得られることにあります。複合めっきの冶金学的方法と比べた特徴は以下の通りとなります。
1)加工温度が100℃以下であるので、分散粒子としてセラミック等の耐熱粒子のみならず熱に弱い有機化合物も適用可能であります。
2)緻密で気孔率の少ない複合材料が得られます。
3)通常めっきの場合と同様に素材の表面に直接任意の厚さに被覆できます。

複合めっきの用途を分類すると以下の通りであります。
1)耐摩耗性・耐摩擦性
2)皮膜の分散強化(機械特性の改善)
3)自己潤滑性・非粘着性
4)接着性
5)耐食性
6)装飾性
等であります。

また、複合めっき浴として利用が多いのは、ニッケルめっき浴、銅めっき浴など大抵のめっき浴が利用でき、合金めっき浴も利用できます。

ご不明点がありましたら、当社までご連絡お願いします。