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金型など複雑な凹凸形状へのめっき施工ですが、めっきの種類によって、その難易度は異なります。
電気を利用しないめっきを無電解めっきと言います。無電解めっきではめっきを析出させたい箇所にめっき液が滞留することなく触れていれば、ある程度均一な厚みでかつ正常なめっきを析出させることが可能です。あえてデメリットを上げるとするならば、厚みを厚くするのは苦手としています。
一方で、クロムめっきなどの電気めっきはめっきの厚みを厚くつけることは得意としていますが、金型の様に凹凸を持った複雑な形状に均一な厚みを施工することは苦手としています。電気めっきの場合には、めっきの厚みはめっきを析出させたい箇所に流れる電気の量(電流密度)に影響されます。金型をめっき液に投入して一定時間で引き揚げた時に、電気が良く流れる箇所、例えば角部などはめっきが厚く析出し、逆に電気があまり流れない箇所(谷のような形状や陰になるような箇所)はめっきが薄くなります。めっき後に切削加工などの機械加工ができない場合には、めっきにより金型の寸法精度や性能が決まってしまうため、めっきの厚さを均一に被覆することが求められます。そのために、金型などの凹凸形状へ電気めっきで均一なめっきを被覆するためにはその形状に対応した電極(陽極)が必要になります。この陽極形状が初めから最適な形状に決定できるとは限らず、場合によっては試行錯誤を繰り返し、陽極形状を変化させてめっきの均一電着性や精度を向上させていくことになります。
弊社では電極の設計製作、調整を含めて対応しております。まずは図面など仕様書を確認させて頂き、ご相談させて下さい。