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弊社の従来より保有するめっき技術と組み合わせることにより、銅基材へのLMD皮膜形成を可能としております。現在LMDで使用されているレーザー波長は近赤外光に属する1000nm前後です。この波長での銅へのエネルギー吸収率は数%程度であり、非常に高いエネルギーを与えないと肉盛りが出来ない状態となっています。高出力での肉盛りは銅基材に与える熱影響が大きく、銅基材の強度低下につながります。また形成される肉盛り皮膜自体も非常に不安定で、連続的な肉盛りを行うと溶融池でのガス吹上げ等による欠陥発生やLMD皮膜へのCu希釈が要因と思われるクラックの発生等が見られております。
弊社では連続鋳造用鋳型を代表とする銅基材への各種被膜の施工実績と知見が多数あり、この技術とLMD技術を組み合わせて、銅基材への安定したLMD皮膜の形成を確立しております。銅基材表面に特別なLMD施工処置を行うことで、安定したLMD皮膜の形成を実現し、LMD皮膜へのCu希釈による物性変化も低く抑えることが可能です。このLMD施工処置は、LMD皮膜と銅基材の機械的特性の中間層(クッション層)としての役割もあると考えており、銅基材へ高強度なLMD層を組み合わせた場合、外部からの衝撃性を緩和しクラック発生の抑制効果もあると考えております。