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工業用に使われるめっき皮膜として一般的に使用されているクロムめっき皮膜は強い酸化皮膜をもつため、硫酸や硝酸に大変強い耐食性をもつのですが、その一方でハロゲン化物によってその酸化皮膜を破られるため、塩酸あるいは塩素イオン環境下では簡単に腐食してしまいます。
一方でニッケルめっきは逆に硝酸には弱いですが、塩酸・硫酸には万全ではないものの耐食性は強い傾向にあります。当社の快削めっきはバイト切削性が良い(彫刻性に優れている)皮膜として開発されたものですが、塩酸・硫酸に対して通常のニッケルめっきよりも高い耐食性をもちます。
塩酸・硫酸・硝酸に代表される酸に対する耐食性については、それぞれのめっきに一長一短があり、現在の所すべてに対して強い被膜はありませんが、2種類のめっき皮膜を積層する等の方法で、1種類の単層めっき皮膜よりも耐食性を上げることが可能です。腐食でお困りの場合、その製品を使用される環境や、生産機の場合は生産対象製品の成分等を含めてご相談頂ければ最適なご提案をさせて頂きます。