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硬質クロムめっきは塩酸(ハロゲン系)に弱い性質を持っています。硬質クロムめっきに限らず、金属(その他物質も含む)はそれぞれ固有の物性を持っており、塩酸に強い金属も数多く存在しています。しかし塩酸に強い金属があったとしても、それを「表面処理で製膜できるのか」については非常に難しいのが現実です。電気めっき法では「ニッケルめっき」であれば硬質クロムめっきよりも塩酸に強い特性を持ちますがそれでも腐食は発生します。また塩素に強い金属のバルク材を購入して削り出すという手法もありますが、当然材料コストは高くなると予想されます。
その課題を大きく前進させた表面処理が、今回ご提案させていただくLMD(レーザ・メタル・デポジション)技術です。LMDはレーザー(熱源)の力を用いて、金属粉体を製膜していくことができる技術です(例えるなら、3Dプリンターに近い技術です)。現在研究段階であるため、どんな金属粉体でも製膜化できるわけではありませんが、こと「塩素」に強い金属であれば、「インコネル」と「ハステロイ」は製膜は成功しています。机上での想定値ベースではありますが、硬質クロムめっきの約3000倍以上の耐塩素性を有している結果が得られています。
塩素系の腐食でお困りの際には是非1度ご相談ください。