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通常のクロムめっきよりも耐食性に優れたものとして、当社オリジナル商品のR-62クロムめっきがあります。R-62には大きく次の3点の特性があります。
①Hv1000以上の高硬度皮膜により耐摩耗性に優れる。
②クラック密度1,600本/㎝(サージェントクロムめっきの約10倍)と緻密であり、耐食性に優れる。 ③Ry0.05μm以下の鏡面仕上げが可能。
これらの特性を活かし、耐摩耗性・耐食性を要求される製品にご採用頂いています。
元々クロムめっきにはマイクロクラックと呼ばれる目には見えない小さいクラック(ひび)が存在しています。R-62の耐食性が良い理由は、このマイクロクラックが緻密であるという点です。 一般的にクロムめっきはカバー型と呼ばれるめっき種で、素材を全て覆う事で耐食性を確保します(反対は自己犠牲型めっきで、亜鉛めっき等があます)。
クロムめっきが腐食する理由として、めっき表面が異物により溶ける事象や、めっき表面から下地にまで到達したマイクロクラックや衝撃等で発生した割れ部分に異物の浸透して素材や界面部において腐食が発生することがあげられます。このような腐食が発生すると、めっき浮きが生じ最終的にはめっき剥離となります。
R-62はマイクロクラックが緻密=マイクロクラック数が多い=1つ1つのクラックが小さい=1つ1つのクラック深さが浅いので、素材まで到達する割れが発生しにくい特性があることから、通常のクロムめっきと比較して高い耐食性を持っています。