Answer (回答)

当社が保有しております銅めっき浴は、①硫酸銅めっき浴、②ピロリン酸銅めっき浴、③シアン化銅めっき浴の3種類となっております。
硫酸銅めっき浴の主要な用途としましては、銅を厚く盛る「銅電鋳」として利用しており、過去から現在に至る実用例としましては、ロケットエンジン(燃焼室)の製作及び印刷機のローラー、樹脂成型用硬質銅めっきローラー、導波管の製作、素粒子加速用高周波空洞など、広範囲に及んでおります。なお、樹脂成型用硬質銅めっきローラーにつきましては、お客様でローラー表面に彫刻加工をした後、当社でフラッシュクロムめっきを施しております。この類のローラーにつきましては、シミ、バリなどがローラーを通る製品に直接影響を及ぼしてしまいますので、徹底管理された条件で対応をいたしております。

次に、ピロリン酸銅めっき浴の主要な適用例としましては、文部科学省が計画し、実行に移した「トリスタン計画」の大型加速空洞や2008年度のノーベル賞受賞に間接関与しました「Bファクトリー」用の大型加速空洞がございます。また、鉄道車両用の部品で使用されております支持板にも適用されております。また、少し変わった用途では、鉄鋼材料の表面硬化法として「浸炭焼入れ」がありますが、焼入れしたくない部分に銅めっきを被覆すると、その部分の浸炭防止が可能となります。しかしながら、浸炭防止目的の銅めっきとしてはシアン化銅めっきの適用の方が一般的でございます。

最後にシアン化銅めっき浴の主要な用途としましては、シアン化銅めっき浴をめっき浴としてではなく、ストライク浴として鉄鋼材料、亜鉛ダイキャスト、ジンケート処理したアルミニウム合金に目的とするめっき皮膜を被覆する為の前処理の一つとして一時利用したことがございます。また、加速器関連での適用例もございます。

お客様の用途に応じて、銅めっき種の提案及び選定をさせていただきますので、お気軽にお問い合わせ下さい。