製鉄用モールドは、溶けた鉄(溶鋼)を固める金型として使用されます。溶鋼の温度は1,000℃を超えています。モールドの本体は銅でできており、銅の表面には各種表面処理(めっき・溶射など)が被覆されています。モールドは溶鋼からの被熱を受け続け、母材(銅)と表面処理被膜の熱膨張率の違いで硬い表面処理側に割れ(ヒビ)が入ることがあります。この現象はヒートクラックと呼ばれています。ヒートクラックは、深く割れが入ってしまうと母材の寿命が少なくなってしまいます。またヒートクラックが複数入ることで、割れどうしがつながり表面処理被膜を脱落させてしまうことがあります。ヒートクックを発生させない方法として、熱膨張率(伸び率)のよい表面処理を選定することで軽減させることが可能です。野村鍍金では、ご使用後のモールドの状態を調査させていただくことで、ベストな表面処理を選定することが可能です。
高付加価値設備
基礎知識
- めっきの基礎 / 表面処理の種類と特性
- 産業用機械部品に於けるコスト基準
- 大型機械部品の機能性とコストのバランス基準
- 表面処理による機能性を付加する大型機械部品
- 部品製造に於ける機械加工と表面処理の分類
- 高品質(高い密着度)の表面処理への理解
- 表面処理の密着度の測定と判定
- クロムめっきの硬さと摩耗特性
- クロムめっきの顕微鏡的組織
- クロムめっきの化学的性質・耐食性・耐衝撃性
- クロムめっきの耐食性の改良
- 電気ニッケルめっきと無電解ニッケルめっき
- 電気ニッケルめっき
- 電解ニッケルめっきと無電解ニッケルめっきの対比
- 銅めっき
- 銅めっきレベリング性
- 合金めっき
- 基体(下地金属)と密着性と外観について
- めっきの密着性
- めっきの引張強さと伸びと摩耗特性